私がIllustratorで絵を描けるようになるのに有効だった練習方法
Illustratorの使い方がさっぱり分からず放置していた私が、どうしても使えるようになりたくて、現在まぁ描きたいものを描けるぐらいにはなったかな…というところまで至った経緯をまとめてみました。同じように最初の一歩でつまづいてしまった方のお役に立てたら幸いです。
動画版もあります
YouTubeでも解説してます。テキストよりそっちのほうが好きという方はこちらからどうぞ!
目次
- 挫折→放置→やっぱり使えるようになりたい!
- まずは思い通りの“線”を描くのを目的にする
- とりあえずコレだけ覚えておけばなんとかなる
- 難しいことは考えず、まずは曲線から
- ハンドルの扱い方
- オブジェクトの扱い方
- 簡単なイラストを描いてみる
- アウトライン化して、強弱をつける
- Shiftを押しながら出来ることいろいろ
- イラレで描いたイラスト例
注記:この記事は以前イラレについてまとめたものに加筆しているので、スクリーンショットのイラレのバージョンが新旧混在しています。ご了承ください。
挫折→放置→やっぱり使えるようになりたい!
わたしは子供の頃から絵を描くのが好きで、PCで描きだしたのは新しもの好きだった父が買ったPhotoShop5.0からのスタートでした。フォトショは実際にアナログで描くのと近いところがあって、なんとなく独学でごりごり描き、レイヤーなどの概念を学びました。
フォトショのみで何年も絵を描いてて大学生になり、学割でイラレを購入。…したはいいけど、ちょっとさわって全然わからず。線がつながっちゃう! パスとやらがどんどん増えてく! 全然思い通りにならない! なにこれ怖い! 状態で距離を置く。
当時の自分にググれよ、と言いたいのですがそこから一年近く経ち一念発起。やっとググる。いろいろサイトとか見て回って考えた結果、
- フォトショの姉妹品みたいなイメージだけど、同じようなモノだと思ってたら大間違い
- “絵”というより“図形”を描く感覚
- パスという概念がわかってないので、見た・読んだだけじゃ理解出来ない
そもそもフォトショとイラレじゃ画像形式の根本から全く違う。(ラスタ形式とベクタ形式と言いますが、この辺は割愛します。)ソフトを“扱う”ことより、最初の“理解”までの敷居が高いと思いました。
逆に言えば、“理解”さえ出来てしまえばこっちのもの。そもそもイラレを使えるようになりたい方は職人気質なとこがあるんじゃないかと個人的には思っているので、理解できちゃえば練習は苦にならないんじゃないでしょうか。
まずは思い通りの“線”を描くのを目的にする
正直、最初から絵は描けません。線をひっぱって、曲げてみて、理想の“線”をどのようにして描いていくかを覚えれば、絵はその線を1本ずつ重ねたり繋げたりしていけばいいんです。
とりあえずコレだけ覚えておけばなんとかなる
サイトも書籍も、探せばいっぱい情報ありますが、逆にどこから手をつけていいのか分からない。ので、まずこの4つ! 一番大事なのは「ペンツール」!
昔まとめたものなので古いバージョンのスクショですが、基本機能は今も変わらないはず。
「塗り」と「線」という概念
フォトショにはない概念です。慣れないうちは「塗り」を「なし」にしておいて練習するのもいいかも。
難しいことは考えず、まずは曲線から
初歩の初歩、曲線。一緒に描いてみましょう。読むだけじゃ理解できないので、実際にやってみてください!
準備
一般的な描き方
よく紹介される書き方ですが、私が思うにこの時点で既に慣れた人の描き方だと思うんですよね、コレ。パスを理解して、自分がどんなものを描くのか頭の中で出来てる人はこの方法のほうが断然速いのですが、パスがなんなのか分かってない超初心者は、形状が複雑になると一気にわからなくなります。(当時の自分です)
超初心者向けの描き方
ドラッグとか考えない! 始点、頂点(になりそうなところ)、終点のみぽちぽちっとクリックだけしていきます。
「アンカーポイントの切替ツール」で、曲線になって欲しいところを進行方向へドラッグします。
先ほどより工数は多くなりますが、ツールの役割が分かれていると理解しやすいんじゃないでしょうか。理解出来て、慣れてきたら徐々に先程の描き方にしていけばいいと思います。
ハンドルの扱い方
アンカーポイントを白矢印で囲むと、選択されたアンカーポイント周辺のハンドルが出てきます。ハンドルとは、曲線を制御している方向・大きさを現しているものです。
このハンドルがイラレ初心者への大きな壁ですよね。「線を曲げるのに線をひっぱる??」って昔のわたしも戸惑いました。でも、コレがイラレの肝であり、これさえ分かればだいたいイケます。スラムダンク風に言うなら「ハンドルを制するものはイラレを制す!」です。(たぶん。)
白矢印で制御する
当時ベクトルという名前だと思っていて…。ベクトル→ハンドルと読み替えてくださいw
切替ツールで制御する
オブジェクトの扱い方
黒矢印で
白矢印で
簡単なイラストを描いてみる
曲線が描けたら、次はコレを描いてみましょう! 練習用に曲線と直線を混在させたのでちょっといびつですが、アイスクリームだと思ってください。ご自分のPCに保存してご使用ください。
イラレを開き、新規作成したまっさらなアートボードに、[ファイル]→[配置]で先ほどの画像を貼り付けます。
トレースするので、不透明度が30%くらいのほうが描きやすいです。バージョンによって不透明度設定の場所が違うので探してみてください。
[配置]した時点で、レイヤー1にこの画像へのリンクが入っています。
トレース時に動かないようにレイヤー1にロックをかけてしまいましょう。
新規レイヤーを作成します。こちらにトレースしていきます。
「塗り」と「線」を上図のように設定して、[ペンツール]で赤くポイントしてあるところを順番にクリックしていきましょう。
最後の4ポイント目は、1ポイント目に重なるようにクリックします。重なるポイントに「○」印が出るので、そこでクリックすると線が繋がります。(クローズパスと言います)最後に[ctrl]を押しながら余白をクリックして、選択を解除します。
次にアイスの上部分を描きますが、今描いたコーンが邪魔なので、非表示にしておきます。
ちょっと複雑なので、「塗り」を[なし]にしておいたほうが分かりやすいです。ポイントは多いですがやることは先ほどと一緒です。線の始点、頂点、終点がどこになるか考えながらクリックだけしていきましょう。
Altを押して、切替ツールにしながら曲線になるところをドラッグします。ドラッグして出てきた線(ハンドル)は、先ほど解説したように、ctrlを押して白矢印で動かせます。
曲線の丸みはドラッグする距離に比例するので、下絵にできるだけ近づくようにハンドルの方向、位置を調整してみて下さい。アンカーポイント(ハンドルの根元)の位置も白矢印で動かせます。ハンドルを動かしただけじゃうまくいかない場合は、ポイントの位置を動かしてみましょう。
形になったら、先ほど[なし]にしておいた「塗り」をピンクにしてみましょう。
先ほどの図では、曲線の頂点にポイントがあるほうが分かりやすいかなと思って描きましたが、右下のようにしてもつくれます。一般的に、アンカーポイント(最初にクリックしたポイント)は少ないほうが仕上がりが綺麗になるので、慣れてきたら挑戦してみるのも良い練習になると思います。
最後に、コーンを表示、下絵を非表示にしてみてください。うまくいきましたか? このとき、レイヤー2の中に入っているコーンとアイスのことをパスと言います。
シンプルなイラストやロゴなど、いろいろトレースして練習してみれば、コツがつかめてくると思います!
アウトライン化して、強弱をつける
「塗り」と「線」という特性のおかげで均一な太さのふちどりなんかがキレイにできるイラレですが、シュッとした線だってひきたい! ていう時にはこちら。私はイラストの線画書くときによくこうやっています。
アンカーポイントの追加もできる
マイナスができるならプラスだってできる!
Shiftを押しながら出来ることいろいろ
イラレに限らず、結構どんなソフトでも共通してるので便利ですよ。
イラレで描いたイラスト例
真円や左右対称など、フリーハンドでは難しいかっちりしたイラストはイラレならでは。ロゴなんかも作りやすいです。
シンプルなウサギ
線画(輪郭)レイヤーと色(目、耳、肉球)レイヤーで出来ています。輪郭を線で描いた後、アウトライン化してます。線のままでも良かったんですが、足の指とか耳の内側の線をシュッとさせたかったのでこうなってます。さっきのアイスみたいに、ダウンロードしてトレース練習に使ってもらって構いません。
複雑な髪の毛
強弱があったほうが綺麗に見えるかなと思って、線を描いてアウトライン化して調整して、の繰り返しです。
レイヤーを一枚別にしてグレーでシャドウ部分を描いています。
色を付けます。グラデーションを使うと綺麗に見えます。
パスはこんな感じ。
いかがでしたでしょうか。フォトショだけでも結構いろいろできるんですが、イラレを使えるようになるとぐっと幅が広がります。当時の私のように、挫折して放置している方がいらっしゃったら是非やってみてください!
引用
この記事は、以前私がpixivに投稿したものを編集・加筆しています。
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2件のコメント
勉強になりました。Aiソフトが全く使えなくて(私の頭では)、途方に暮れていた者です。本当に感謝!
コメントありがとうございます! かなり昔に書いた記事なのですが未だに読んでもらえて有り難いお言葉をいただけて嬉しいです~!
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