初心者向け、Illustratorで簡単な図形やイラストを描くチュートリアル

イラストレーター(ベジェとかパスとか)って、慣れるとすっごく使いやすいんですけど、なかなか描きたいものをカタチに出来るようになるまでの敷居が高いですよね。イラレを使えるようになりたい方むけに、具体的な例を画像満載で細かく解説してみました。
目次
おさらい
イラレの操作が全然わからない!という方は、まずはこちらの記事からお読み頂けると良いかと思います。今回はこの続きみたいな感じで書いてみます。
基本ツールとショートカット

「コレだけ覚えておけばとりあえずなんとかなる」ツールです。頻繁にツールの切り替えが必要になるので、ショートカットは是非覚えておきましょう。
正三角形を描く
ただの三角形なら、ペンツールで適当にぽちぽちぽちっと3点打って、4点目を1点目の点に重ねて打てば三角形のクローズパスの出来上がり!なんですが。正三角形ってイラレでどうやって描くんでしょう?

「多角形ツール」というものを使います。

好きな大きさになるようにドラッグして、

マウスのボタンを離さないまま、キーボードの「↓」を押すと、多角形の角の数がひとつ減ります。

もう一度押すと、もうひとつ減ります。ちなみに「↑」を押すと増えます。

もう一度押すと正三角形に!ここでマウスのボタンを離します。

出来ました!
吹き出しを描く

「楕円形ツール」を選択します。

好きな大きさになるようにドラッグ。このとき、Shiftを押しながらドラッグすると真円になります。長方形ツールだと正方形に。

ボタンから手を離すと、線が出ます。お好みの太さに調整してください。

ペンツールにして、パスの線上にポインタを重ねると、プラスのマークが出ます。ここでクリックして、アンカーポイントを追加します。

このように、3つのアンカーポイントを追加します。

ダイレクト選択ツールにして、真ん中のポイントを選択します。図では[a]のショートカットを書いてありますが、ペンツールを選択しているので[Ctl]でも可能です。わたしはこちらを使うほうが多いです。(直前にダイレクト選択ツールにしておかなきゃいけないですが)

アンカーポイントの切り換えツールにして、真ん中のポイントをクリック。両側のハンドル(線をなめらかにするための方向線)が消えます。ショートカットは[Alt]でもOKです。

切り換えツールのまま、となりのアンカーポイントの内側ハンドルのはじっこをつかんで、ポイントへ重なるようにドラッグ。

片側のハンドルだけ消えました。

逆方向も同じことをしたいのですが、ハンドルが出ていません。ダイレクト選択ツールでクリックします。ショートカットはペンツールのまま[Ctr]でもOK。

ダイレクト選択ツールでクリックすると、選択された周辺のハンドルが表示されます。

同じように切り換えツールで片側のハンドルをポイントに重ねて消します。ショートカットはペンツール+[Alt]でも。

これで、3点追加したアンカーポイントの両内側と、真ん中のハンドルがすべて消えたことになります。

では、真ん中のポイントをダイレクト選択ツールでドラッグして動かしてみましょう。

びよーん!

綺麗に尖りましたよね。ハンドルを消したのはこのためです。ハンドルがついたままだと、丸みを帯びたカタチになってしまいます。もちろん、移動してからハンドルを消してもOKです。

ダイレクト選択ツール(または、選択ツール)で何もないところをクリックすると、選択が解除されます。これで出来上がりです!
ちなみに

Photoshopでも同じことができます。これは先日書いた記事のアイキャッチですが、フォトショのパスで吹き出しをつくって、レイヤースタイルの境界線をつけてあります。フリーハンドより簡単で綺麗に書けますね!
ハートを描く
いろんな方法があると思いますので、1例として。

楕円形ツールで、

Shiftを押しながらドラッグして、真円を書きます。

ダイレクト選択ツールで、一番上のアンカーポイントを囲むと、

そこだけ選択されます。(よーく見ると、選択されたポイントだけ■で、他の3つは□なんです)

選択されているポイントだけ、キーボードの「↓」で適当に下に動かします。

アンカーポイントの切り換えツールにして、片方のハンドルをちょっと上へドラッグ。

ボタンを離すとこんなカタチに。

左側も同じようにしたいのですが、ハンドルが出てないので一度アンカーポイントをダイレクト選択ツールで選択。

重なっててちょっと見づらいですが、左側のハンドルも表示されました。

切り換えツールでもいいのですが、このままダイレクト選択ツールでもハンドルを動かせます。

ちょっとハートっぽくなりましたね。

一番下のアンカーポイントを、切り換えツールでクリックします。

クリックされたポイントのハンドルが消えて、鋭角になります。

このままでもハートといえばハートですが、個人的な好みにより、ちょっと下のアンカーポイントをキーボードで「↓」へ。

最後にダイレクト選択ツール(または、選択ツール)で何もないところをクリックして、選択を解除。出来上がり!
ウサギのイラストを描く

前回最後の方に紹介させて頂いたこのウサギ、描いてみましょうか。この下絵は、線をアウトライン化したり意外とめんどくさいことをしてるので、もっと簡単にトレースしてみます。

レイヤー1にて[ファイル]→[配置]で、不透明度30%くらいにしてレイヤーをロック。ここまでは前回も描きましたので割愛させて頂きます。

塗りが白だとちょっとわかりづらいかなと思うので、レイヤー2に不透明度10%くらいの薄いグレーのパスを用意してみましょうか。これもロックしておいて、レイヤー3を新たに作って、そちらにトレースしていきます。

線→黒、塗り→無しのペンツールで、クローズパス(最後の点が最初の点とつながっているパス)を作ります。慣れたらハンドルを出しながらパスを作成していったほうが早いのですが、今回は初心者向けということで「パスをつくる」→「ハンドルを出して制御する」という方式で描いてみます。二段階右折(?)みたいなものです。
また、パスは新しいものが上に出来ていくので、重なっている下の部分から描いていきます。(あとから順序を入れ替えてもいいんですけどねw)

[Alt]で切り換えツールにして、アンカーポイントをクリック&進行方向にドラッグ。鋭角だった部分がまるくなります。

[Ctl]でダイレクト選択ツールにして、アンカーポイントの位置を動かしたり、ハンドルを片方だけ伸ばしてみたりして下絵に重なるように調整します。

同じように、クローズパスを作成。

[Alt]と[Ctl]を駆使してハンドルを動かし、下絵に合わせます。

耳が描けました。だいたいコツは掴めてきたんじゃないでしょうか?

耳の中のピンクのところのクローズパスを作成。

ハンドルを制御。

反対も、パスを作って、

ハンドルを制御。

体のパスを作って、

ハンドルを以下略。あとで重なっちゃうところはべつにいいかなーというスタンスです。

足。アンカーポイントは少ないほうが、線がガタガタしないで綺麗に仕上がります。

[Alt]で切り換えツールにして、ハンドルをどちらか片方に合うように調節してから、もう片方のハンドルを独立させて鋭角な線をつくっています。
もう片足はコピペでいけるので、後にしますw

顔。楕円形ツールをShiftを押しながらドラッグして真円にします。それなりの大きさになったら、[v]で選択ツールにして位置調整。大きさも変えられます。
大きさを調整する際も、Shiftを押しながらだと、縦横比固定のまま縮小拡大できます。

丸の部分を続けてやっちゃいます。楕円形ツール+Shiftで、足の部分と、

目の部分。

もうひとつの目も。

[p]でペンツールに戻って、口の部分を3点、ぽちぽちぽち。オープンパスなので、[Ctl]を押しながら何もないところを一度クリックして、パスを終了させます。

[v]で選択ツールにして、塗りを白にしたいパスだけを選択します。複数選択したい場合はShiftを押しながらパスの一部をクリック。

スウォッチから、塗りを白にします。一気にウサギっぽくなりましたねw

同じように、目だけ選択して塗りを赤に。

ピンクの部分も。

もう片足を作ります。そのまま選択ツールで、コピーしたいパスだけ選択して

コピペすると同じパスができます。

ツールボックスからリフレクトツールを選んで、パスの近くをぐるっと回転させるようにドラッグすると、選択されたパスが反転します。Shiftを押しながらだとキリの良い数値で回転します。

[v]で選択ツールに戻って、移動したりちょっと回転させたりして位置を調整。

何もないところをクリックして、選択を解除。完成です!
最後に
いかがでしたでしょうか?ここまで一通りできれば、だいぶベジェ曲線の概念とかも分かってくるんじゃないかなぁと…。あとは、練習あるのみですね!フォントやロゴなどをトレースするのが良い練習になると聞いたことがありますので、お気に入りのブランドなどで練習してみるのも良いかもしれません。
ご注意:トレースはとっても勉強になりますが、それをWebなどに公開すると著作権や商標の侵害になる場合もありますので、自分で練習するだけに留めておいてくださいね。
2014/6/2追記
こちらの記事がとーっても参考になります!
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