AccessVBAを基礎からじっくり学習する本

AccessVBAを基礎からじっくり学習する本

6冊めの本を書かせていただきました!

本書は、AccessVBAを基礎的な文法から学習し、サンプルに組み込み、動かしながら進んでゆく構成になっています。VBAとはなにか、エディターの使い方、インターフェースの作り方という最初の一歩から、VBAの「文法」を意識しながら解説し、段階的に機能を作成していきます。「文法」をきちんと理解することで、自分の業務に合わせて改変できるスキルを育てることができたらという思いを込めて書きました!

情報

  • 発売日: 2019/8/2
  • ページ数: 336ページ
  • 定価: 本体2580円+税
  • 出版: 技術評論社

動画での紹介

YouTubeで紹介動画を作りました!

概要

ちょこっと中身を覗きながら、どんな内容なのかご紹介します。

CHAPTER1 基礎知識 Accessにおけるプログラミングとは

まずは「VBA」という言葉の意味より先に、「プログラミング」の意味、「Accessでプログラミング」とは何を指すのか、ということから解説しています。続いて「テーブルとクエリ」「レポートとフォーム」などのAccessの大枠にあたるオブジェクトを解説し、VBAに取り組む前段階の知識をここで学習します。

ちなみに、今回も挿絵の図解やイラストはすべて自分で描かせてもらっております!(*´∀`*)

CHAPTER2 VisualBasicエディター VBAの作成・編集ツール

VBAでプログラミングを行う編集ツールの起動方法、各部分の名称などを解説したのち、モジュールとプロシージャの作成、メッセージボックスを出力するかんたんなコードを実装します。プログラムの起動、動作確認を体験しながら、初めてのプログラミングを行います。

CHAPTER3 フォーム プログラムのインターフェース

CHAPTER2ではモジュール、プロシージャを意識してプログラムを起動しましたが、ここでは業務でよく使う形になるであろう、Accessの「フォーム」を使ったプログラムの起動を解説しています。

そこから、フォームの仕組みや、フォームに載せるコントロールの特徴、コントロールを操作したときに起動できるイベントプロシージャを使ったプログラムを作っていきます。

CHAPTER4 条件分岐 動きにバリエーションを付ける

実用的なプログラムを組むために欠かせない、「If」を使った条件分岐について学習します。チェックボックスやオプションボタンなどのコントロールの特性と組み合わせて、「条件に一致したとき」や「それ以外」の動きを実装し、動きを確認します。

CHAPTER5 変数 効率のよいコードにするには

条件分岐を学んで「この場合はこういう動き」「あの場合はこういう動き」という書き方ができるようになると、「一部分だけ違うけれど、ほとんど同じコード」を何度も書く場面に出くわすかもしれません。そういったコードを効率的に書いたり、「いつでも同じではないもの」を操作するために、「変数」という概念と使い方を学びます。

CHAPTER6 関数・メソッド・プロパティ プログラムに多様な動きをさせる

ここまで学んできたコードの意味を掘り下げて、VBAの「文法」について詳しく学びます。より実用的な機能の実装をしながら「文法」についての理解を深めることで、「なんとなく動く」から一歩踏み出すことを目指しましょう。

CHAPTER7 デバッグとエラー処理 プログラムでエラーを出さないために

いったんここで「機能を実装する」目的から離れ、書き方のおさらいや、コードがどんな順番で動いているかを確認する方法を学びます。プログラムを始めた人がつまずきがちなのはやはり「エラー」なのですが、エラーメッセージは「ここが間違っているよ」というヒントをくれているものなので、焦らずに読み解いてみましょう。

CHAPTER8 モジュールとスコープ 似ているコードを使い回す

ここでは「ひとまとまりの機能」をいろんな場所から呼び出して使う方法を学ぶため、スコープ(適用範囲)というものを解説しています。続いてモジュールの種類や特徴などを理解して、プロシージャの使われ方の幅を広げてみます。

CHAPTER9 レコードセット 繰り返しで連続処理

データベースソフトならではの「レコード」の取り扱いを、「SQL」と「繰り返し処理」を使って柔軟に取り出す方法を解説しています。最終的にはテキストボックスの値を使って、その都度条件に合うレコードのみをリストボックスに出力するコードを実装します。

CHAPTER10 非連結フォームからデータ変更 追加・更新・削除

「連結フォーム」を使わず、「非連結」な状態でデータをフォームに読み込み、フォーム上で操作された値をテーブルへ書き込むアプリケーションの作成を行います。フォームのさまざまなイベントやエラー処理、SQLのトランザクション処理も駆使して難易度高めな実装に挑みます。

APPENDIX VBAテクニック集 アプリケーションの使い勝手を向上

CHAPTER10のアプリケーションに、さらに便利な機能を追加してみたり、ここまで紹介できなかったコードの効率的な書き方や、ファイル選択ダイアログを出したり、コンボボックスを絞り込んだりする、小技的な機能の実装方法を紹介しています。

ひとこと

この本の「はじめに」には、以下のように書きました。

プログラミング習得の第一段階は「コピー&ペースト」で構いません。使えそうな部分を取り出して少し修正する、それで仕事が楽になり、プログラミングの便利さや楽しさを実感することが大切です。

しかし、そこで歩を止めてしまうと「似ているコードが元にないと書けない」状態に留まってしまいます。その先へ進むために、ぜひ、書かれているコードの「文法」を1語ずつ噛み砕いてみてください。

文法を理解することで、「こういう成り立ちをしているからこのように動くのか」ということが分かり、「じゃあ、こうしたい場合はこうすればいいのかな」という「仮説」を立てられるようになります。

「仮説」に対するトライ&エラーの繰り返しが、ゼロからコードを書けるようになるための近道なのでは、と筆者は考えています。

私ももちろんそうでしたが、「コピペしたものを改変してなんとなく動くようにする」から「自分でコードが書けるようになる」ようになるまでは、なかなか長い道のりなのではないかと思います。

本書は、これから学習する方の長い道のりができるだけ短くなるように、編集さんとああでもないこうでもないと目次の段階から時間をかけ、他でもない自分自身が「こんな解説がされたものをあのとき読めていたらなぁ」というノウハウをたくさん詰め込んで書き上げました。

本書がVBA活用のステップアップへのお役に立てたら光栄です。